台湾5(自分探しの旅・台中)


ホテルの朝食を食べて一服する。どこのホテル前にも大抵灰皿が設置してあってありがたい。

自強号(特急)で列車の旅。窓側の席だったのでずっと外を眺め続ける。

台中駅には昼過ぎに到着。ホテルは駅前だったのですぐに分かるが日本語OKと書かれていたにもかかわらず、英語しか通じない。チェックインは3時からというので荷物を預け、駅周りをウロウロする。


旧台中駅。新しい駅は個性がなくて古い方が良いなぁと思う。

暑い。

台湾美術館へはバスで行こうと思ったけど乗場が分からず、タクシーで行く。着いて初めて知ったけど、今年の始めに応募したがあっさり落選した版画のコンクールを開催していて、うぇ〜ってなる。全館無料だったので版画コンクール、台湾の全国美術展、常設展を見る。版画コンクールはベタベタの黒っぽい暗い作品ばかりであまり面白くはない。まあこういうコンクールだったら自分の作品は落選してもしょうがないかと思う。全国美術展は、油絵、彫刻は冴えなかったけど、水墨画、水彩画が抜きん出てて、さすが本場の国だなぁと思う。他、写真、落款、インスタレーション、水彩、ガッシュとカテゴリーが事細かに分かれていてそれも几帳面すぎて面白い。
常設は写真と日本統治時代の台湾美術。写真が、自分の好きなBrassaiやRobert Frankなどのマスターピースが揃っていてじっくり見る。最初にここから見れ始めれば良かったな、と思う。台湾美術は(日本美術もそうだけど)出自というか起源というものが非常に複雑でアイデンティティーの拠り所に苦心してきたそう。中国美術の下敷きの上にオランダ文化が入り、日本の近代絵画コピーみたいなもの入ってきてそれらが接木されて二重三重に捻れている。で、その寄る辺ない感覚は今も続いているそうで、デラシネ的な喪失感がアイデンティティーになっている、みたいな。


勧められた美術館の「春水堂」へ行く。店に入ると、席に案内され、注文書みたいなのに記しをつける。しかしいくら待っていても店員が注文を聞きに来ないので手を上げて呼び寄せると、その註文書を持ってレジに行き、そこで先にお金を払うらしい。注文した功夫麺とタピオカミルクティーが無事に出てきてホッとして、「あぁ、そういう注文の仕組みだったのかぁ」とひとりごちるとそれが思いの外自分の身体の中で残響し、また猛烈な孤独感が襲ってくる。
帰りはバスに乗って駅に戻る。



ホテルは台北より綺麗でオシャレ。

机に入っているのなんだろう、ってしばらく見ていたらコンドームだった。マイッタ!

テレビは飛行機の様に映画を選んで見ることもできる。

何だか疲れ果てたので、入る勇気の必要のない小綺麗な若者向けの店で、トマトラーメン(?)みたいなのを食べる。