アタリ!


新幹線で読む本忘れて、急遽大宮駅構内の本屋で何も考えずに買ったんだけど大当たり。
「世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR」 (角川文庫) 内澤 旬子
たとえばマグロの解体ショーみたいなのは、多分、見ててうまそー!って感じになると思う。ところが、それが牛や豚とかになったりすると、グロいとか可哀相とかに転化する。日本の場合、そこに差別の歴史なんかが加わり、一部の島嶼を除いてアンタッチャブルというか、不可視の領域になってて、でも、それってどうなの?肉食べてるんだからその過程をすっ飛ばすのって欺瞞なんじゃない?他の国ってどうなの?ってもっともな疑問のもとに描かれたイラストルポタージュでむちゃくちゃ感動。文化(コード)が違えばここまで違うか!その緻密に描かれたイラストがもうまたすこぶる良い。
本人のキャラクターによるところが大きいと思うけど、底抜けに明るくてチャーミング。世界中のおじさんに「お嬢ちゃん、お嬢ちゃん、おれの包丁さばき見て行くかい?」って気持ち良く言わせるところがあって、それは多分、職人のプロフェッショナルな技術に本当に感激し、なにより人の営みを尊敬しているから。
最近はどの分野でも女性が良い仕事してるなあ。かっこいい!