2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

鎌倉山

鎌倉山に花見に行く。細かく冷たく重たい雨がずっと降りつづく。桜はまだ咲いていない。ただ尻の穴から背骨に向かって寒さが貫き通し、静かに風邪っぽくなる。一年ぶりに会えた方もいて嬉しい。

寒い日

膝の上に乗ってくる。とても軽い。 きんきんに冷えている。

吠える

空は怒っている。

日常の隙間

行きの電車で隣に座ったサラリーマンは、震える手でビニール袋に包まれたワンカップを飲み一息ついてからタブレットで何かやり始めた。帰りの電車で隣に座った若いOLは、綺麗なハンカチに包んだビールをゆっくりゆっくり飲みつづけた。毎日通勤電車に乗る生…

外科手術

赤いフィルムと透明なフィルムが2層にくっついているアンバーフィルムをカッターで柔らかく切ると、表層の赤いフィルムだけ切れてペロリと剥がせる。すると描くのとは異なる機械的なソリッドな線、ムラのない色面の原稿が出来上がる。というのを50枚つくる…

雪が積もっている。遠くに来たなと思う。この先、自分は何処へ行くのだろうと思う。

忘れえぬ歌

「デンデルジューバイ、デテクルバッテン、デンデルジューバイ、デーテコンケン、コンケラレンケン、コラレラレンケンコン」という歌を小学生の頃日曜学校で教わってはっきりと覚えている。で、長い間外国語の歌、おそらく朝鮮の民謡だと思っていたのだけど…

理想郷(シャングリラ)

今日は迎えの車がないのでバスで行く予定だったが、そのバスに乗り遅れる。次は40分後なので駅前をブラブラして時間をつぶす。鄙びた感じが良い。駅周りは登山に来た中高年の方々の熱気で蜃気楼がたちのぼっている。

老化による平衡感覚の低下

版に空いたピンホールを目止めする際、片手で持ち上げて光にかざして確認しながらもう一方の手で面相筆で修正していく、大きい版はさらに片足を上げて膝で受け止めるかたちで安定させる。ところが片足だとバランスがとれずフラフラする。

凸兀

グラデーションを刷る際のスキージーのガイド。知らないことだらけ。ポスターやTシャツなど特殊印刷技術のシルクスクリーン、あるいは自分がやっているようなシルクスクリーン版画的なものは今後も残っていくだろう思うけど、版画工房の変態的・悪魔的ともい…

暗室

感光機や水場のある離れの暗室は、一方で彼女専用の寝室兼トイレにもなっている。

滝行

一日中、感光・現像をしていると、水しぶきによって全身濡れ体の芯から冷え切る。チョコレートを食べながら額のマット端切れなどを庭で燃やして暖をとる。修行をしている感じ。

位相空間

通勤時間が長いので、前から読み直そうと思っていた大江健三郎「燃え上がる緑の木」三部作を読む。奥付を見ると95年。大学一年生の頃に読んだのだろうけど、綺麗にすっかり内容を忘れているので、初めて読むような感じ。書かれたのはオウム心理教テロ前、そ…

風聞

河原の土手には土筆が生えている。はてついこの間、労働に行った先で皆で山ほど土筆を摘んで帰って卵とじにしたと思ったのはもう一年前か。35歳くらいまでは日々毎日がうだるような長さで、一年なんて気が遠くなるような無限地獄のように気が滅入っていたの…