奇譚


「検証 福島原発事故 記者会見 ー東電・政府は何を隠したのかー/日隅一雄・木野龍逸(岩波書店)」
かなりマメにIWJの会見見てた方なので(その分、他のことは何もしなかった)、海洋投棄とか、黒塗り手順書とか、汚染水飲水とか、いろいろムチャクチャなのあったなぁ…など当時の狂騒を思い出しつつ。そしてそれは終わったわけじゃなく現在進行形、もっとエグイことも水面下ではしてそうだし、これからも同じようなこと起これば全く同じように対応するのだろうと思わせてしまうところがまた泣かせる…。
会見ではどうしてもフリーのジャーナリストに肩入れして(というのも変だが)見てた部分が多く、大手メディアはちゃんと報道できていない、権力を監視できていないと憤っていたのだけれど、改めて読んでいけば全く全員が木偶の坊というわけでもなく、大阪朝日新聞などは仕事をしていたようで。あるいは記事を書いても上層部にボツにされ、煩悶する記者がほとんどなのかもしれない。けれど、だからといって免罪されるわけはなく、海洋投棄の際の日隅氏の咆哮に対する傍観(沈黙)は、明らかに15年前、森達也「A」の時と同じ轍を踏んでいる。