国会包囲-8


歩道は人で埋め尽くし次第に進むことも戻ることも出来なくなる。後ろからは後発のデモ隊が続々と加わり警官の絶叫するような誘導指示はシュプレヒコールにかき消され、あ、やばいな、危険水域だな、これは圧死するかもと感じた次の瞬間、歩道と車道を分断していた鉄柵が決壊。鬨のこえと共に車道に溢れ出す様を間近で見て、人間って液体なんだな、とあらためて思う。憤怒と恐怖と歓喜とが綯い交ぜになった「再稼働反対!」という咆哮はまるで海鳴りのよう。