フラフラ


どくろ杯/金子光晴
作家志望の女学生を妊娠させる→結婚する→中国に単身行ってフラフラする→妻が不倫する→フランスへ行くことになる→その前にまた中国へ行ってフラフラ。自伝的小説なんだけど、その一貫した不真面目さは愚直。魑魅魍魎、吹き溜まりの異国で、水彩画を描いて売って旅費をつくる、なんて格好よい。その題名にもなった人骨(処女の)をくり抜き処置を施し杯にする、なんて中国の伝統、妙にリアル。