シネマート新宿


希望の国/園子音
その父親は最初から最後まで格好良く、息子が時に不甲斐なくさえ見えるけど、その息子も、町の、職場の嘲弄に毅然として立ち向かう。ひるがえって自分ならって想像すれば、同調圧力に屈して義理の娘の奇矯な(?)振る舞いを詰り、アルツハイマーの妻を人前から遠ざけることはないとは言い切れないかもしれない。地縁、血縁の濃い共同体の良い部分、悪い部分が浮き彫りになり、因習であったり、秩序であったり、その中で、個人がどう振る舞うかを問われる。