荘厳


東北の写真展を見ていたら、子供の頃、山伏の集団に遭遇したのを思い出した。
何事ですか?と尋ねたにもかかわらず、白装束の男性は完全に無視、というか法螺貝を吹きシャナリシャナリと歩く自らの役柄に没頭している。
その山は、断崖絶壁に鎖がぶら下がってたり、岸壁から突き出した大岩の底の部分、鉄の輪っかが嵌め込まれてて、あるいはそこにブランコでも据え付けてあったのか、なにしろ落ちようものなら良くて即死、悪くて悶死、そういう拷問器具の名残のようなものが沢山あって、子供心に恐かったのを覚えている(今、大人になっても恐い)。ふもとの神社の格子には、まるでおみくじを枝に結ぶように髪の毛が結んであったり。