東京タワー


山本作兵衛
浴室シリーズというか、共同浴場の作品が、同じ構図、文章の作品を年をかえて何度も描き直され、版画のように左右反転、対称の構図で描き直されているのは、今回、初めて知って、作家の業というか、念というか。アウトサイダーっぽいイメージ、正規の美術教育を受けていないアールブリュット的な作家像なんていうのが埋め込まれていたけど、そもそもそんなものじゃぜんぜんなくて、理知的、洗練された作家だったのをあらためて確認、しびれる。BGMの炭坑節がまた良し。
なんで東京タワーでって訝ってたけど、初めて行ってみて、近代の象徴、肉体と観念を体現している塔のよう、とてもマッチしてた。