遠方より来る


駅からの帰り道には、遊歩道というかサイクリングロードというか、私鉄の沿線に合わせて整備されている遊歩道があって、そこは昼夜問わず人々が健康促進、ランニングやサイクリングをしているのだけれど、その日、仕事帰りで疲れたのでコンビニでビールなんか買って、だらだら歩きしていると、向こうからジャージを着た、周りのスポーティーな感じと一線を画した中年がヨチヨチ歩いて来て、すれ違い様ふと目を合わせると友達だった。自分もたいがい恥ずかしかったけども、彼はそれ以上に恥ずかしがって、いや、仕事が休みだったからちょっと多摩湖までランニングしてきて、膝が痛くなってね、と言い訳を始めて、じゃ、飲みに行きますかとかなって、内蔵が筋肉痛になる。