ホドロフスキー監督「ホーリーマウンテン」。ジョンレノン、ミックジャガーが絶賛とあって前から見たかった、けど、冒頭からよく意味が分からない、物語の筋が頭に入ってこないというか、錯綜しているというか、イメージの反乱、LSDきめたてホヤホヤの世界という感じ。ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ア・ダイアモンド。じゃあ120分苦痛を感じながら見ていたかというとそんなことはなくて、それぞれの断片は時にロココ絵画のようだったりアッシドジャズのようだったりシュールレアリズム詩のようだったり、くわえて舞台というか美術セットというかエキセントリックな背景が何か次の段階へ物語を押し上げるというか(あるいは引き下げるというか)けっこう楽しめた。まあ、物事なんて太い芯のようなものが貫き通しているなんてことはなくて、枝葉に独立したものの断面を何かのタイミングで垣間見て勝手に荘厳な気持ちになるだけなのかもしれない。