国会前79



着いてみると警察に設けられたバリケードはもうすでに決壊し車道に人が溢れ出ている。続いて出てみると今まで感じた事がない圧倒的密度、熱量、エントロピー大。立錐の余地ない中、それでも岩清水の様にチョロチョロチョロチョロと前へ後ろへ移動する一列、一筋の道があることに気がつく。しばらく経ってから、ふと、もっと前、最前線の様子も見てみたいとの思いがわき、シュッとその列に加わり前の方に進んでみる。けれどそこは想像を絶する浮き足立つ程の満員電車状態、進むも地獄、退くも地獄、「戦争反対」コールに混じえて「押さないで!」との悲鳴が前から後から聞こえる。将棋倒し圧死する恐怖、カオス。連れともはぐれ、雨と汗でビッショリになりながら、目をつぶって流れに身を任せているとしばらくして下流の人口密度の少ない方へ押し出されていた。何とか連れと合流し隣接する公園に避難、一息つけたけど、その公園も人が沢山溢れ出ている。