国会前 82


道路まで溢れ出る。
大江健三郎の小説で、死ぬときになるとおのおの自分の定められた木の根元に導かれていく話がある。そこで死んだ自分は、幼少の自分自身と対面し「あなたはどうして生きてきたのですか?」と幼い声で問われる。「どうして」というのはHOW(どうやって、どのような方法で)でもあればWHY(なぜ、どういう理由で)でもあって、当然、後者の方が答えるのは難しい、まして、他人ならともかく幼い自分自身には。
死ぬ時「こうして生きてきました」と幼少の自分の目を見て語りかけたい。