猜疑・警戒の笑顔


子供のころよく行っていた日本海側の海に泳ぎに行く。しばらくすると崖の上から黒い作業着というかツナギというか何らかの制服を着た男性二人組が双眼鏡でこちらをじっと監視しているのに気がついて、なんか嫌な感じ、落ち着かない、早くどっか行けとか思っていたら、とうとうこっちにやってきてニコニコしながら(それでいて決して目は笑っていない)「こんにちは〜。何をしているんですか?どうして人目のつかないこんな入り組んだところで泳いでいるんですか?」なんてソフトにかつ暴力の暗い気配を漂わせながら質問してくる。「いや、子供の頃からよく泳いでいたんで」なんて下を向いて弁明するが、中年男性が単独で人気のない所で泳ぐのは、密漁あるいは何らかの犯罪・事件に関わっていると思われて仕方がない監視すべき対象なのか。あるいは入水自殺者と思われたか。