何か大事なものを汚された気持ち


妻の実家に行くと、うちじゃ誰も飲まないからといつも貰い物のワインをくれて、自分では買わないようないいやつなので何かある時に飲もうと思いつつ、何もない今日飲む。すると干しぶどうのような芳醇な香りが鼻の奥から目の裏にまで突き抜け、これ今まで飲んだことのない系のすごく高級なやつだと瞬時に分かった。感じた。
あまりの美味さに妻に勧めてみると、一口飲んで彼女はこう言った。「やばい味するよ。酢になってるよ。」
言われて見れば、ドブロクのように濁っているし、瓶の底には澱だかなんだかがヘドロ状に沈殿している。気色が悪い。