ロンググッバイ


市役所に併設された隣の市の中央図書館に行く。20代の終わりのころ、DTPのアルバイトをしていた際、昼休みによくこの市役所内の食堂で食べていたのを思い出して、久しぶりに昼はそこで食べることにきめる。そこは飾り気のない素直な味のレストランで、障害者やおばあさんたちが自分たちのペースで働き、時折、注文も間違えたりする、のどかで微笑ましい素敵な店だった。しかし、今、店員は全員若い女性に変わっていて、皆、長い茶髪をポニーテールにまとめ揃いの黒いキャップをかぶってキビキビ忙しそうに働いている。図書館ではレイモンド・チャンドラー「長いお別れ」「大いなる眠り」「高い窓」「かわいい女」を借りる。