鎌倉


以前読んだ藤牧の本が大変面白く、興味深かったので、鎌倉へ。
予想に違わずとても素晴らしい。私家本の山岳全集は完成度は予想以上に高く、丁寧に装幀してあり色も鮮やか。
そして絵巻が本当圧巻。その線が妙に硬質で身体感覚がないみたいな。例えば面相で描いても呼吸だったり、脈拍だったり、雑念だったりと身体のリズムがそこには必ず影響しててそれが「震え」や「かすれ」となって表れてくる。(少なくとも自分はそう)。またまっすぐ同じ太さの線をひいてるつもりでも最初は線が太く濃いのが、次第に筆先の墨は薄くなり、消えていく。はずなのにそういうのが見当たらない。まるでカーボン紙で下絵をうつしているような均質な線。あるいは筆ペンとか。かと思えばいきなりボタッと墨が落ちてるところもある。なんで??デザインの会社で修行すればああいう線ってかけるようになるのかな?始まりと終わりが繋がっているような奇妙な絵。(絵もいきなり途中で切れてたりするし)
そうなってくると版画の暴力的な表現主義風の彫跡もこれはかなりの技量をようするんだと分かってくる。
実際、後刷り贋作も多いらしいけれども同じ版木でも藤牧のようには刷れないなしい。(でその研究本も出てたけど、それは高すぎて買えなかった)