佐倉


抽象と形態:何処までも顕われないもの/川村記念館。
これぞ「THE・絵画」という感じ。
思えば学生の頃、こういう絵画を希求し、そして今も絵画といえばこういうのを思い描く。
巨大でどしっしりした抽象!
よく、油絵とか描かないの?と聞かれるが、やはり自分は今は絵画は描けないかなぁ。やっぱこういう風になるだろう、絡めとられるだろうと想像できてしまう。
なので志を持続している画家は掛け値なしに尊敬する。畏敬の念すら。
美術雑誌に黙殺され、世がアートフェアだ、トリエンナーレだ浮かれている底の方で息を潜め、黙々と淡々と自分の絵を描いてきた、その頑強な意思にどこか本物っぽさ、探究者のおもかげが見えて、それは例えば自分の不遇さ、ルサンチマンをはらしてくれる、体現してくれていると勝手に仮託しまっているだけなのかもしれないけれども、そういう作家が日の目を見ると自分を承認されたようで嬉しい…。