手に汗にぎる


ティーブンキング「IT」
JR武蔵野線から見える、荒川河川敷のあたり、水門があって菜園小屋みたいなのがある、湿地帯というか葦が生い茂っていてなかなかうら寂しい風景が、「荒れ地」ってまさにこういう感じ、ぴったりだよなんていつも思う。
現在と過去(記憶の甦り)が同時に進行していて、章ごとに切り替わる、そのつなぎ目が見事で、一瞬どっちが現実か分からなくなる(どちらも小説の中の虚構なんだけど)。作中、本物の小説ではない、大衆小説、しかもホラーの、という自虐的な自己言及(?)がなんかかわいいおかしい。年末、正月とだらだら読み。2008年の丸善のレシートが出てきたので5年前に読んでたはずだけど、細部は忘れててまた楽しめた。