濃密な懐かしさ


閑静な新興住宅街の脇に細い抜け道があって、その通りは昔ながらの長屋っぽい平屋のならび、簡素な切妻屋根の2Kくらいのマッチ箱のような建物がまだ残っている。そういう住宅群は大抵、塀などはなく、あっても低いか、生け垣とかで庭というか建物と建物の間の空間がよく見え、そこに花壇をつくったり、盆栽を並べたりしていたりしていて、そこに洗濯物が干してあったり、縁側に猫がいたりすると、昭和って感じが全面的に展開されていていいなぁ、と思う。