緩慢な渦


スラムドッグミリオネア(ダニー・ボイル
映画は、放浪児を組織化し、障害を与えてより金を貰えるようにする惨たらしいスラムのリアルを描く。
「クイズミリオネア」って、みのもんたのエグさ暑苦しさは唯一無二と思ってたけど、インド版(映画)もそれに負けず劣らず、あるいは凌駕するほどエグ暑苦しい。
見ながら思い出したのは、若い頃タイに旅行に行った際、公園で、制服を着た女子学生がリコーダーの練習をしているのに出会ったときのこと。それが実に下手くそで、何というか微笑ましかった。学校で怒られて、明日までに吹けるように練習しているのかねぇ?、的な。
遊び惚けてると、今度は違う場所で、別の制服少女が下手なリコーダーの練習をしているのに遭遇した。はて?と思った途端、後頭部をぶん殴られた様な衝撃を受けた。彼女(たち)は盲目で、足元にはカゴがあり、人々は時々小銭を投げ入れている。
制服も、演奏の下手さも(誰かに、何らかの組織によって強制的に)演出されているものだった。