珍道中7


どうしてそうなったのか最早覚えていない、3、4日前の事が3、4ヶ月前のように遠く霞んでいる、帰りは何故か飛行機では無く、高速船で博多経由になっている。早朝からバスに乗って地下鉄に乗り継ぎ釜山ターミナルへ着く。ギャラリーの人が急遽買ってくれたチケットが本当に大丈夫か不安だったけど、無事チェックインできる。
船中、日本人作家のみで最後に撮った4人の記念写真を見ているうち、「ダメな西遊記」という言葉が頭に浮かんだ。天竺にお経をもらいに集結した4人。けれど、我々(三蔵法師孫悟空猪八戒沙悟浄)はなにしろ線が細かった。振り回され、翻弄され、息をするのがやっとだった。這う這うの体。対して中国の作家たちは悠然と構えていた。外でのスケッチも早々に飽きて遊んでるような、毎晩飲み歩いているような、不真面目な印象も受けたけど、しっかり最後には作品を仕上げ、そしてそれもすべて悪くない出来だった。帰りのタクシーも心配してくれとても優しかった。通訳の青年も優しかった。
このような機会はもうないだろうけど、もしまたあるなら、それまでに当たり負けしないよう、ガップリ四つに組めるよう、気力、体力、胆力をつけておかねばと、今、思っている。
おしまい。