夏の夜


搬出を終えた後、画廊の方と飲みに行く。最初に入った鉄板焼き屋でウニホーレンを食べて、そのあまりの美味さにニューロンが活性化、前回個展の時も飲みに連れて行ってもらった先でウニホーレンにいたく感動したことを思い出し、点と点が結ばれ幸せ、これから先、広島はウニホーレンというのを忘れないよう固く心に刻む。そこからはんなりとした小料理屋、アーバンなショットバーへとハシゴしたのは覚えているけど何を食べ何を飲み何をベラベラ喋ったか記憶が曖昧で、翌朝気がつくとホテル、当然ドロドロの二日酔いで背筋を伸ばすとウニホーレンを嘔吐しそうだから猫背小股で駅まで歩き新幹線にかろうじて乗る。毛穴からアルコールを発散させながら息も絶え絶えしていると、車掌が切符を拝見と現れ、ジーンズのポケットから切符を取り出そうと手を入れると、不思議なことにポケットには飴玉が数個裸のまま入っていて溶けてネチョネチョになっている。慙愧に堪えない。