また東中野


ぽれぽれで『アレクセイと泉』。
ドキュメンタリーっていうより小説のよう。
画像も叙情的すぎるほど叙情的。カラーなんだけどずっとモノクロ。
特に好きなシーンは、多分ちょっと変わった隠遁者みたいな人(聖人)が秘密の場所でタバコを吸うのだけれども、めずらしく、カメラを不思議なものとしてじーっと見つめるところ。
アレクセイの「聖人の言葉は、聞けば聞くほど聞きたくなる」ってやわらかなモノローグがなぜかとても懐かしいような。
本当のことは声高に叫ぶより、ゆっくり静かな声の方が遠くまで届く気がする。
鄙びた農村の、現在では失われた地縁、血縁の心あたたまるエピソードが組み込まれているんだけれども、薄皮めくれば、グロテスクな現実がぽっかり口をあけているのが慄然…。
あー良いもの見た。また見たい!