ダブリン紀行2
ホテルで朝食を食う。脂っこいウィンナーと塩辛い厚いベーコン、スクランブルエッグとモサモサしたパン。野菜が欲しいがオレンジジュースでカバーする。
中庭があり皆そこで喫煙している。宿泊客は目が合うと必ず「グッモーニング!」と微笑みかけてくれる。
とりあえずトリニティカレッジの「オールドライブラリー」に行く。観光客が多い。行きの飛行機では「ダヴィンチ・コード」を観たので、「ケルズの書」など何か別の隠されたメッセージがあるのだろうかとか思ったりする。そこで偶然今回一緒に展示する渡辺伸さんに出会う。嬉しい。彼はツアーで来ているので軽く話したあと早々と別のところへ皆と移動する。寂しい。
ハープは欲しいなと思った。
大学内を横断し、「アイルランド国立美術館」へ行く。無料。そこでまた伸さんに出会う。今度はちょっと照れくさい。観光ルートの通りに自分は進んでいる。
「国立図書館」に行く。無料。ちょうどWBイェーツの展示をしていたのでゆっくり見る。イェーツのゆかりの地スライゴーを訪れるのも今回の目的だったのだが充実した展示だったのでもうこれでいいやと満足する。先の美術館で初めて知ったのだがイェーツは芸術一家で父親、兄弟、姉妹、娘は皆画家で、特に弟のジャック・B・イェーツの表現主義風な作品群は非常に気に入った。父ジョン・バトラー・イエーツ(1839〜1922)画家。長男ウィリアム・バトラー・イェーツ(1865〜1939)詩人。長女スーザン・マリー(リリー)・イェーツ(1866〜1949)、次女エリザベス・コルベット(ロリー)・イェーツ(1868〜1940)次男ジャック・バトラー・イェーツ(1871〜1957)、WBの娘アン・イェーツ(1919〜2001)
「国立考古学博物館」に行く。無料。アイルランドの遺跡などを見る。湿地帯で発見されたミイラが何ともグロくて秀逸。
トリニティカレッジのギャラリーで柳沢夫妻と伸さんと待ち合わせパブに行く。ここは有名なお店らしい。注ぎ方によって大きく味が変わるらしくサーバーからゆっくり何度も分け時間をかけて注いでいる。昨日の店とは大きく店員も客層も異なる。
入り口のライトは壁から生えた腕が力強くかかげている。
イタリアンに行ってワインを飲む。伸さんは酔っ払って(?)店員に「ユー、ノウ? テイラーギャラリー? トゥモローオープニング!ウィーアーアーティスト!」と話しかける。自分も大概英語が喋れないので鬱鬱としているのだが、伸さんは喋れなくても朗々と喋りかける。ちょっと感動する。
ダブリンで一番美味しいイタリアンだそう。
このあと路上でタバコを吸っていたら、女学生(?)がタバコをくれとたかってくる。伸さんはここでも「ユー、ノウ? テイラーギャラリー? トゥモローオープニング!ウィーアーアーティスト!」と。もうとにかく凄い人である。