台湾7(自分探しの旅・台南)


思い出深い台中に後ろ髪を引かれつつ、再び自強号で台南へ向かう。田んぼがあり懐かしい景色が通り過ぎる。

まずはホテルに荷物を預け、台湾文学館に行き台湾文学者の直筆原稿や装幀を見る。


台湾の美術館や博物館は実に丁寧に作られていて分かりやすい。

また子供向けコーナーのようなものも充実していて感心する。

孔子廟(こうしびょう)」














労耐苦刻。何故か意味が分かる気がする。

「大南門(だいなんもん)」




淫靡な気すらする。

フェイクの壁でカムフラージュしている。

音がするので見ると裏側に高校球児たちが練習している。

芝を刈っている。

灰皿だと思う。おそるおそる一服する。

気温31度。台南は暑いよ〜と言われたけど東京より涼しい。風が心地よい。高温多湿にオリンピックなど狂気の沙汰である。

手芸品?

五妃街。素敵な街の名前だと思う。


「五妃廟(ごひびょう)」

トイレと通りに面した看板からのウルトラマン兄弟。

バイク修理の店先でかしましくしている。

台湾ではどこに行ってもUFOキャッチャー専門店を見かけたけど、お客が入っているのを見たためしがない。時間がずれているだけ?

いっそこのままここで仕事を見つけて暮らしたいと思う。

ベニヤで窓を塞いであってなんとプリミティブなビルだろうと思ったけど、よく見たら焦げた跡があって丸ごと燃えたんだと分かる。



「延平郡王祠(えんぺいぐんおうし)」



そういえば台中のホテルの前でタバコを吸っていると、スーツ姿の男性がフラフラっと道路に出たと思うと、腰を落として両手を膝に乗せて「ジャー」と盛大に嘔吐をした。あまりに立派に吐瀉するのでこっちまで思わず貰い吐きしそうになった。連れの男性が「おい、大丈夫か?」って言ったから日本人だった。

伸びて垂れ下がる気根を切っている。


「臨水夫人媽廟(リンスイフジンバビョウ)」そのまま何となく入ってみる。水子供養(?)的な。2階にあがると年配の女性が壁に向かって体を小刻みに震わせ「ア〜、ウ〜」と呻き声を発しながらトランス状態でお祈りしている。その後ろを通り抜けるのも何か申し訳ないような気がして、ベランダ的な所へ出て外から反対側へ行こうとする。とあろうことか女性が壁に向かってお祈りしていると思っていたのは勘違いで彼女の目の前には空間ぽっかりが開いており、そこからベランダに設置して線香を焚いている大甕へ向かって一生懸命お祈りをしていたのだった。自分は最も失礼な感じ、気付かなかったとはいえお祈りしている甕の前を横切ってしまう。一瞬目が合ってしまったような気がして、スミマセン、ドゥイブチーとつぶやきながらそそくさ外に出る。






台南に行ったらぜひ行ってみたら良いとYさんに勧められたギャラリー。いずれも展示している作家も空間もスタッフもおしゃれ。途中、道が分からなくてレストランの前で優しそうな青年に聞いてみると、わざわざ自分のスマホを取りに戻ってきくれて、グーグルマップで調べてくれる。彼もまた流暢な英語をしゃべり、英語で道を聞いておきながらよく分からない顔をしていると日本語で教えてくれる。恥ずかしいかぎり。

「赤崁楼(せきかんろう)」台湾(中国?)の若い女子グループから撮影を頼まれる。元気があっていっそ清々しい。




「祀典武廟(してんぶびょう)」

「大天后宮(だいてんこうきゅう)」



美女が金の蛇に巻きつかれるくらいの美味さ。

おそらく大小便禁止。

圧倒的数はその本来性を凌駕する。


トマソンが多い。


ドロドロに歩き疲れて、入りやすそうな食堂に入る。チャーハンと羊肉の炒め物、台湾ビールを頼む。猛烈に美味。

ホテルの部屋。リンゴとパイナップルジュースが置いてある。嬉しい。
今回のホテルは一番高級な感じ。日本語ペラペラなスタッフがドアの開け閉めまでしてくれ恐縮する。

文学館のミュージアムショップで見つけた「人生は自分を探すものではない、自分でつくるものだ(詠み人知らず)」という格言トートバックに「自分探しの旅」など愚の骨頂だと一喝された気がして深く恥じ入りながらも購入した。
壊れた機械のように無闇矢鱈に歩きながら寺や遺跡を巡った1日。修行のよう。托鉢僧のよう。